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言葉ってなんだっけ
雑記
この記事の投稿者湖西しーた
こんにちは。
最近、筒井康隆先生の『残像に口紅を』という小説…小説?
(虚構の中の虚構と本文では説明されていたような。)を、読みました。
某番組の読書芸人でも紹介されていた本です。
物語(虚構)の世界で言葉が一つずつ失われてゆくという、少なくとも私は今まで読んだことのない設定のお話でした。
例えば、世界から「し」という言葉がなくなったら 私「こさいしーた」は虚構の世界で完全に消えてなくなってしまいます。
「ししとう」とか「しまんちゅ(島人)」など、「し」を構成に要する言葉が概念ごと物語から欠落してゆくのです。
ただし、「しまんちゅ」→「沖縄県民・島民(とうみん)」など言い換えができるものは残ります。
言葉が、概念が少しずつ消えながら物語が進んでゆくという 新鮮な恐怖?が襲ってくる、とても面白いお話です。
消えた存在は、登場人物全員の記憶からもなくなります。
つまり、「○○が消えた!」と感じるのは読者である「物語(虚構)の外の存在」のみだということです。
なんか小難しいですね。私も書いていて混乱してきました。
言い方を変えましょう!
もしこのルールをじゃららに適用するとしたら、「か」という言葉が消えた瞬間 梶山さんという概念そのものがなくなり、私がずっと番組を一人で行っていたように 関係者及び聴取者全員の中で書き換えられるのです。
こわい!!!
しかも、言葉はどんどん消えてゆくので文中で使える表現の幅も容赦なく狭まってゆく…はずなのですが、筒井先生の手腕で文章自体の不自然さは殆ど感じません。
というか、そもそも表現の幅がとんでもなく広い方でなければそもそもこんなトンデモ設定の物語を書こうと思えないのではないでしょうか。。。
物語のルールもさることながら、日本語自体に今まで意識しなかった気付きもあって大変感銘を受けました。
ぜひ、色んな方に読んでほしいなと思います…!!
筒井康隆先生の『残像に口紅を』 ですよ!!
本屋さんによっては特集で平積みしてあったりするので、探してみてください。
一緒にゾクゾクしましょう!!!
さて、この文章の中からもひとつの母音が消えています。
正解はなんでしょうか!!
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