「1次産品の高付加価値化」が課題と言われ、
十勝から様々な商品が生まれています。
今日は実際にどのように商品開発が行われるのかを伺おうと
「食ラボとかち」プロジェクトリーダー高橋司さんにお越し頂きました。


－食ラボとかちについて簡単にご紹介頂けますでしょうか。

十勝の農産物や畜産物、水産物の素晴らしい素材を活用した
商品開発のサポート事業を行っています。

この食ラボとかちは、
地域の雇用を作って行くことを目的に活動している
帯広地域雇用創出促進協議会が行っている事業の1つです。
他に
〇モデルツアーを造成する、旅ラボとかち
〇セミナー・講座 就職促進事業
〇求職者と企業のマッチングする、ジョブジョブとかち
事業があります。


－すると誰に対するサービスになりますか？農家さんでしょうか？

農家さんなどの生産者はもちろん、食品関係事業者、メーカー、流通事業者、
十勝の食に関する事業に携わっている方が対象となります。
「〇〇のような、商品開発を一緒に取り組んでみませんか」とご提案させて頂いています。


高橋さんは以前、商品開発の仕事をされていたのでしょうか？

いいえ。

十勝出身で、大学が関東でした。
卒業後、「いつか十勝に戻りたい」という想いを持ちながら、
デザイン、編集の仕事をしていました。
その後、未経験ではありましたが、ご縁があり飲食店で5年程勤め、
料理をしながら十勝の魅力を発信していく仕事をしていました。

そして2年ほど前
Uターンで十勝に戻り、
十勝の商品の販路開拓のサポート事業に携わりました。

販路開拓サポート事業を通して見えてきた、「今あるものを売る」だけでなく、
「潜在顧客に対する提案営業」を行うべきだという課題に対応するため
今年7月に「食ラボとかち」が発足、現在、「商品開発サポート」に従事しています。


－どのような商品を開発していますか？

業務用の一次加工品を販売できないかと考えています。

業務用というのは、
飲食店や、学校給食、お惣菜の製造メーカーに使って頂くものです。
具体的には、農産物をペースト状にした、「ピューレ」の試作、製造を行っています。

飲食店は、
原材料で仕入れて調理したり、あるいは加工品を使って調理したりしています。
人手不足に困っている飲食店は、
クオリティを落とさず、加工されたものを使いたいというニーズがあります。
ピューレを商品開発することで、
飲食店の調理に、新たな選択肢を提供できたらと思っています。

ピューレという商品を開発できれば、
生産、加工、販売　商品のバリエーションが増やすことができ、
新たな雇用に繋がります。
また、ピューレは冷凍保存ができ、
1次産品と異なり、長い期間販売できるメリットがあります。


－どのような手順で商品開発を行っていますか。

どのようなニーズがあるのかを調査、検証することに力を入れています。

まず食の情報を生産者に伺い、
その情報をベースに、市場との接点がどこにあるかを考えます。
つまりニーズですね。
そして、企画立案を行います。
こういう業種にあてはまるのではないか等、仮説を立て、提案を行います。
実際に飲食店、小売店に訪問して提案しながらニーズを聞きだしていきます。
潜在顧客の手ごたえを感じてから、試作となります。


－課題、問題はどのような点でしょうか？


商品のニーズをどのように把握するのかに苦労します。
「何が欲しいですか」と尋ねて答えを得ることができわけではありません。提案をできるだけ多く考えて、相手のニーズを引き出すように努めています。

良い企画が出来ても、実際に作らなければ商品は誕生しません。
生産者自身で加工する道もありますが、
連携をとって加工してもらう選択肢もあるでしょう。
連携をとることが大変です。


－ピューレのニーズは飲食店に多いものなのでしょうか？

はい。野菜をピューレにするのは、洗って、皮をむいて、蒸して、裏ごしをする、など非常に手間がかかります。
その手間を生産地で行い、出荷することで飲食店の手間を省き、メニューの幅を広げるサポート食材になれれば。
さらに、産地には雇用創出が期待できます。

－最後にラジオをお聞きの皆さんにメッセージをお願いします。

十勝の食を発信することをついつい考えてしまいますが、
まずは十勝に住む私達自身が、
「食を知り、親しみ、楽しむ」ことから始まるのではないでしょうか。
一緒に、十勝の豊かな食を楽しみましょう。

http://tokachi-love.net/