昨年十勝ワイン50周年、
そして先日十勝ワインを生み、育てた
元池田町長 丸谷金保さんがお亡くなりになりました。

様々なことを乗り越えて十勝ワイン100周年に向けて、
改めて十勝ワインについて教えて頂きたいと思います。

池田町ブドウ・ブドウ酒研究所所長
内藤彰彦さんにお話を伺いました。

十勝ワインについて、簡単に教えて下さい。

国内で最初に自治体が経営するワイナリーとして誕生したのが
十勝ワインです。その歴史は１９６３年、昭和３８年までさかのぼります。
　
最初は山ブドウから始まりました。
果樹を育てるには寒い土地でしたので、
ブドウの開発の歴史でした。代表的な品種に清見があります。

果樹の成長に平均8度以上が必要なのですが、十勝は6度程。
始めちゃったというのが正直なところ、苦労の連続でした。


内藤所長はいつごろから関っていらっしゃるのですか？


私は事業が安定した後、1977年から勤務。
ワイン城が出来て間もない頃からです。

丸谷さんはどのような印象でしたか？

偉大な人という印象です。
すでに町長を辞め、参議院議員に出馬する際の応援演説で
初めてお見かけしました。
とてもわかりやすく話しをされる方だなと感じた記憶があります。

去年の50周年ではお話し頂いた時は、
「原点の山ブドウに戻って頑張れ」と、
10分を予定していた演説で20分間話されていました。
私自身、涙する場面もありました。



十勝ワイン50年を資料としてまとめたそうですね。



50周年の事業で、
十勝ワインジェネシスという歴史本を制作しました。
制作を通して、先輩たちの苦労を改めて知ったのと同時に、
未来への使命を再確認しました。

故 丸谷元町長や、
高齢となった十勝ワインを支えた農業青年、
自分の土地にブドウを植えたブドウ愛好会の皆さんは、　
十勝ワインを自らの自信としていきました。

今年51周年で、
ある意味十勝ワインがあることは町民にとってあたりまえとなりました。

今の池田町の若者にも十勝ワインがあることを
自らの自信に変えていってて欲しいと思います。



十勝ワインが池田町の食文化を育てていますね。



ワインの周りに食文化が動いています。
そのかかわりを大切に思っています。

ワインは食とともに楽しむものです。
肉牛を育てたり、チーズの開発に繋がっています。



町民ルージュ「まちびと木樽」が発売しましたね。



町民がワイン作りにかかわる
熱い想いを繋ぎたいと思っています。


家庭のブドウから作ったワインが、
町民ルージュ「まちびと木樽」です。
収穫に600人の方にご協力頂きました。



池田町では、中学生が授業の一貫で収穫を手伝うそうですね。


はい。
成人式で自分達が収穫を手伝ったワインをプレゼントしています。
乾杯の儀式では、二十年もののワインで乾杯をします。
二十歳の皆さんにはまだわかりづらい味かもしれませんね（笑）。



内藤さんは何本くらいワインを飲んでいらっしゃいますか？



日本人の平均は年３リットル程ですが、
池田町は１２リットル程です。

私は年１００リットル程で、
平均を引き上げています（笑）
勝井勝丸町長も同じくらい飲んでいると思いますよ。


最初に白で口を潤して、赤を飲みます。



スパークリングもおいしいですよね。



はい。手作りなので、　数千本しか作れません。
今はまだ手に入れることができると思いますよ。


十勝ワイン出身で
現在は海外でワインを作っている人もいるそうですね。


私の後輩なのですが、
オーストラリア アデレードの近郊でワインを作っています。
冬に町民ワインツアーで訪れました。


ラジオをお聞きの皆さんにメッセージをお願いします。


100年かかると言われて始めたワイン事業。
将来は道東エリアに複数のワイナリーができて
十勝がワインエリアになったらいいなと思います。
どうぞよろしくお願い致します。