今日は狂言。

帯広で狂言！？

と思われた方も少なくないでしょう。
実は10月13日、今回で24回目を迎える狂言づくしの会が
帯広市民文化ホール・小ホールで行われます。

人間国宝、大蔵流狂言・四世山本東次郎さんが公演してくれるんです！
超一流の演舞を目の前で見れる是非、お出かけ頂きたいと思います。

ということで、今日は、主催している帯広狂言づくしの会、
松井由孝さんにお越し頂きました。


－狂言づくしの会について頂けますでしょうか。


平成3年に始まりました。
大蔵流 山本家の公演を皆さんに観て頂いています。
　
狂言には大蔵流、和泉流があります。
大蔵流は東京に山本家、京都に茂山家、善竹家があり、
家によって芸風が異なり、演じ手によって表現がかなり違います。

狂言や能は、幕府、江戸城のお正月等の行事で演じられた式学で、
それに倣って各大名が能楽師をかかえました。
今で言う地方公務員のような形ですね。

山本家は、江戸の式学を唯一引き継いでいると言われています。

山本家が24年間、帯広に来て公演しているというのは、
東京の能楽関係者から見たら驚きなわけですね。



－なぜ帯広で24回も公演が続いているのでしょうか。



狂言づくしが始まる前の平成元年に薪能があったんですね。

狂言の薪能としては珍しく
3兄弟の共演、　四世山本東次郎、山本則直、山本則俊により
舞楽が披露されました。

本来ならそれでおしまいなんです。
しかし、当時市役所の仕事をしていた私は、
展覧会の仕事で、小樽に行きました。

その会話の中で、小樽に、山本東次郎の会があるんだけど、
帯広でもやれないかな？と話しを持ちかけられたんですね。

翌年、平成2年に小樽へ再度行き、
東次郎先生とお会いし、お願いをするに至ります。

そして翌、平成3年に　帯広でスタートしました。


余談ですが、
帯広狂言づくしの会がはじまるずっと前、
昭和32年に、東次郎先生が20歳のときに、お父様と、弟の則直さんとで、
翔陽中学校で公演していたこともあるんです。

日甜の本社が帯広にあり、重役の方が宝生流の歌いをやっていたご縁がきっかけだそうです。そういった事もあり古くから関わりがあったんですね。


また、東次郎さんは蝶の採集が好きなんです。
実は十勝は、蝶の愛好家にとっては羨望の場所なんです。

十勝の蝶の会に引き合わせて、今でも交流が続いていて、
リフレッシュの折には、蝶を採るためだけ帯広にいらっしゃることもあるんです。

十勝、帯広を大切にして下さっていて、
第２の故郷と言って下さっています。



－そもそも、松井さんが狂言の世界に興味を持ったきっかけは？



日本の文化がもともと好きなんです。

私はビートルズ世代なのですが、全く興味がありませんでした。
能や狂言、歌舞伎が好きだったんですが、帯広では触れる機会がありませんでした。

大人になってからたまに
国立能楽堂や歌舞伎座に行って楽しんでいます。

ですから、自然と関わるようにまりました。


－帯広にいてなかなか狂言に触れることができなかった頃を思えば、
　 今、会を重ねて、東次郎先生と交流を深めていらっしゃるのは驚きですね。


そうですね。


多くの人は外国の文化に皆興味を持ちます。
しかし、日本人として、日本の文化を知っているのか？教えているのか？
という思いがあります。

学校では、音楽は西洋音階、
美術は西洋絵画が中心です。

能、狂言　お茶、お花等に、子供達が接する機会が少ないのではないでしょうか。

子ども達に是非知ってほしいです。


－今回の第24回狂言づくしの会では、子供達はとても安く楽しむことができますね。


はい。

中学生以下は無料、高校生は1000円です。

是非若い人たちに観てもらいたいという気持ちからです。

狂言は今のテレビで観る
受け狙いの笑いではありません。

狂言はまじめに生きていることそのもののおもしろさ、
人間讃歌です。

人を殺す、殴る、は基本的ありません。
リアルなケンカのシーンはありません。
見ている人に嫌な思いをさせません。

日本人の奥ゆかしさを感じて頂けたらと思います。



－最後に一言お願い致します



人間国宝の一流の芸を見る機会はめったにありません。
ラジオをお聞きのお父さん、お母さん、
是非、お子さんを連れてお越しになって下さい。


－松井さん、ありがとうございました。



「第24回狂言づくりの会」

日時：10月13日午後2時～
場所：帯広市民文化ホール・小ホール
入場前売券　大人4500円（当日 5000円）
　　　　　　　　 高校生1000円（当日1500円）
　　　　　　　　 小、中学生 無料
取扱い：勝毎サロン（藤丸7階）　チケットらいぶ