今週は、パキスタン・イスラム共和国（Islamic Republic of Pakistan）をピックアップ！

＜国の位置＞
インド、中国、イラン、アフガニスタンとアラビア海に囲まれた南アジアに位置。

首都…イスラマバード

＜面積＞
79万6000平方キロメートル （日本の約2倍）

＜人口＞
1億8,071万人（2011/2012年度パキスタン経済白書）

＜人種＞
パンジャーブ人、シンド人、パシュトゥーン人、バローチ人、カシュミュール人、ムハージル（カラチを中心に居住する、独立時にインドから移住した人々およびその家族）

＜言語＞
ウルドゥー語（国語、公用語）、英語（公用語）、パンジャービー語45％、シンディー語15％、パシュト―語14％、バローチ―語3.7％、カシュミーリー語、ブラーフゥイー語、サラーエキー語　等

＜宗教＞
イスラーム（国教）　95％がムスリム（イスラーム教）
残りはキリスト教徒、ヒンドゥー教徒、シク教徒、拝火教徒、土着の宗教　等

＜気候＞
アラビア海から北部山岳部では気候もさまざま。国土が南北に長いため、気候は地域によって異なる。首都のイスラマバードは、日本の北九州市とほぼ同じ緯度に位置し、5～6月には40度を超えることもある。１年を通して乾燥しているが、7～8月のモンスーン期には雨が多く降る。

＜主要産業＞
主要産業: 繊維, 衣料, 食品加工, 飲料, 建設資材

＜世界遺産＞
モヘンジョダロの考古学遺跡（文化遺産）
モヘンジョダロの考古学遺跡は、インダス川西岸のシンド州ラールカナの南36kmにある。世界四大文明の一つインダス文明を代表する最古最大の都市遺跡。もっとも古い部分で4,500年前にさかのぼるといわれる。都市計画に基づき東に市街、西に城塞を配置。東西南北に直線道路、穀物倉庫、沐浴用の大浴場、焼煉瓦の住宅、会議用広場、学問所、祭祀場などが残る。1980年に登録。

出典・参考：外務省HP、ナショナルジオグラフィックＨＰ、地球の歩き方HP

今週は…
JICA研修員のシャハニさん

■よろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。

シャハニさん 以下シ）こんにちは。シャハニです。パキスタンから来ました。

■職業はなんですか？

シ）シンド州畜産・漁業局で獣医をしています。
パキスタンでは家族のあり方と仕事が結びついています。パキスタンでは自分の両親と子供たち3世代が一緒に住み、ほとんどの場合、妻は外で働きません。だから、一家のすべての稼ぎは大黒柱であり、唯一の働き手である父親が担います。家族全員のため、男性が一生懸命働きます。

♪　アビダ パルヴィン　「フジマル」
　フジマルは「みんなで幸せを感じましょう」という意味。

■言葉について教えてください。

シ）パキスタンでは公用語であるウルドゥー語が使われます。母語はシンディー語です。パキスタンでは10以上の言語が話されています。

■ウルドゥー語のあいさつを教えてください。

シ）こんにちは　⇒　アサラム　アレイクム！
　　さようなら 　⇒　ホダハフェス！
　　ありがとう　⇒　シュークリア！

■パキスタンの一番好きな所はどんなところですか？

シ）美しい自然、それから家族や親せきを大切にするところです。1週間家族に会えないことがあれば、その後戻って来たときに、1日や2日は家族と過ごすためだけの時間を作ります。家族はとても大切です。

■主要産業について教えてください。

シ）牛乳や麦、米、綿花、果物が主要な産業です。米、果物、革、織物を輸出しています。また、電子機器や菓子類、車やバスなどの乗り物を輸入しています。

■おすすめの場所はどこですか？

シ）スワットという場所がおすすめ。とても美しい場所で、気温は25度以下で湿気もなく、雪を見ることができます。また、おいしい料理があります。4月から7月の夏にはとても人気がある場所です！
それからキンジャレ。有名な湖で、休日にはたくさんの家族がお弁当を持ってピクニックに訪れ、ボートに乗って楽しんでいます。私も何度も友人と遊びに行きました。歩くのも楽しいですし、バーベキューなど料理を楽しむ人もいます。ほとんどの人は友達と一緒に行きます。週末には5000人ほどの人が訪れます。特に夏にはたくさんの人でにぎわいます。
モヘンジョダロは歴史的な場所です。紀元前5000年の遺跡で、世界遺産です。たくさんの外国人観光客が訪れます。

■パキスタンを訪れるなら、いつがお勧めですか？

シ）6月です。シンドという街では150種類を超えるマンゴーが食べごろです。毎年7月の4～6日にはマンゴーフェスティバルが開催されます。

■好きな食べ物を教えてください。

シ）ティカ・カラハイというカレーです。パキスタンの人たちは辛い物をよく食べます。ティカ・ケバブは肉料理です。私は、ビリアーニという伝統的な料理が好きです。ビリアーニはご飯に鶏肉やスパイスを混ぜた料理です。パキスタン人は香辛料をたくさん使います。

■どんな飲み物がありますか？

シ）ラッシーというヨーグルトのような飲み物があります。伝統的な飲み物です。ラッシーに水と氷、塩を少しだけ入れると暑い夏にぴったりです！夏は50度を超えることもあります。ラッシーは欠かせません！ラッシーは2種類あり、甘いラッシーとしょっぱいラッシーがあります。田舎ではしょっぱめラッシーが好まれていますが、都市部には甘いラッシーもしょっぱいラッシーもあります。マンゴーのフレッシュジュースもおいしいです！マンゴーは6～7月がベストです。

■特別なデザートはありますか？

シ）ハルワというお菓子は、砂糖と小麦でできています。コヤも甘くてとてもおいしいお菓子です。ラスグラはとても甘いです！ボールの形で中はとてもジューシーです。噛むと口の中に甘みが広がります！ラスグラがないと私は生きていけません。

■パキスタンの人は何をするのが好きですか？

シ）クリケット、ホッケー、バレーボール、レスリング、カバディー、競馬、若いオス牛のレース、ラクダレース、ロバのレースなどを楽しみます。カバディとは南アジアで主に行われるチームスポーツです。最も大きな特徴として、競技中に、攻撃者は「カバディ、カバディ、カバディ……」と連呼し続けなければならないというルールがあります。
レスリングではオリンピックでメダルをとるほどの選手もいます！

■パキスタンで有名な人を教えてください。

シ）ジャハンギリカーン。ジャハンギリカーンはスポーツのスカッシュで有名です！7、8回優勝しています。
イムランカーンも有名です。クリケットの有名な選手で、1996に活躍しました。

■パキスタンのお祭りについて教えてください。

シ）イードル・フィッターとイードル・ウズハが有名です。イードル・フィッターは1ヶ月間のラマダーン（断食）の後の新月を祝うお祭りで、このお祭りでは1キロの小麦を生活に困っている人たちに贈るという習慣があります。また、家族の数に応じて、お金を贈り、いっしょにお祭りを祝います。
イードル・ウズハはラマダーンから2ヶ月後に祝うお祭りで、動物を奉げて、その肉を三つに分けます。一つは家族で頂き、一つは友人にあげ、もう一つは生活に困っている人たちにあげます。お祭りはお祈りではじまり、新しい服や靴を身につけて、親戚の家を訪ねます。

■結婚式について教えてください。

シ）パキスタンの結婚式では、歌って踊って、新婚カップルにたくさんの贈り物をあげます。贈り物は様々で、冷蔵庫や扇風機などの家具から、服など。ときどきお金もあります。

■どんなファッションが人気ですか？

シ）シャロワーラカミースです。女性も男性も着ます。シェルワニは男性用の長い服です。

■仕事の後の過ごし方を教えてください。

シ）友達や同僚と喫茶店にお茶を飲みに行きます。パキスタンでは喫茶店がとても人気で、多くの人が夜になると喫茶店で、友人とミルクや砂糖を入れたお茶を飲みながら会話を楽しみます。私たちはよく社会問題に話します。仕事仲間と一緒のときは仕事の話もします。
週末は、親戚を訪ねたり、いつものように友人とお茶を飲んだりします。

■趣味を教えてください。

シ）社会福祉事業に関わったり、仕事に関係のある文献を探しにいったりすることです。

♪　シャツィア フシュカ　「ダマダン マスト　カランダー」
　「出会った人々を大切にして、生きていきましょう」という意味が込められている。

■帯広にいつ来ましたか？

シ）2013年7月9日です。

■パキスタンのから帯広まで何時間かかりましたか？

シ）バンコク経由で20時間かかりました。

■帯広の印象を教えてください。

シ）研修するのにとてもいい場所だと思います。帯広の人は親切で、いつも勇気づけられます。

■日本に来て一番驚いたことは何ですか？

シ）進んだテクノロジーに驚きました！それから少子高齢化。パキスタンでは若者が増えています。平均寿命は、パキスタンでは65歳くらいですが、日本は本当に長生きですよね。

■日本で楽しかったことはなんですか？

シ）盆踊りと花火です。盆踊りを踊る人はみんな幸せそうで、一緒に幸せを感じることができました。また、花火にはたくさんの人が来ていました。カップルで浴衣を着ている姿が印象的でした！花火はパキスタンにもあり、私たちは独立記念日に花火をあげます。

■日本食はお好きですか？一番好きな日本料理はなんですか？

シ）日本の食べ物は衛生的です！そして、カロリーが計算されていますね。私は士幌町のアイスクリームとポテトチップスを楽しみました。

■研修の前からJICAのことをご存知でしたか？

シ）JICAのチームがパキスタンのシンド地方で畜産分野の調査・指導していました。その他、たくさんのプロジェクトがパキスタンのさまざまな場所で進められています。パキスタンの人々はＪＩＣAの懸命な働きに感謝しています。

■帯広で受けている研修の内容を教えてください。

シ）私が参加した「持続的農村開発のための畜産振興」研修コースでは十勝を中心に、大学や地域の企業を訪問し、動物の飼育や健康管理、乳製品の加工などを学びました。見学や実習のほかに、大学での講義もありました。この研修が、私自身の視野や能力、力量を高めてくれました。

■帰国後の計画を教えてください。

シ）私はすでにパキスタンでJICAのプロジェクトに携わっています。帯広での研修に参加することもJICAのチームが提案してくれました。パキスタンに戻ったら、日本で学んだ知識や技術をプロジェクトに生かしたいと思います！

■最後にメッセージをお願いします。

シ）第二次世界大戦後の日本の急速な発展は、日本人の懸命な働きによるものだと実感しました。これは、将来を見越した日本のリーダーシップと世界の中でも最高の国にしようと努力した専門家のおかげだと思います。
私は日本の若い人たちが責任を持ってこの意思を引き継いでくれることを願います。

I am very much impressed by fast development of Japan due to the hard work of Japanese Nation after Ⅱ　World War. This is because of Visionary Leadership of Japan and Scientist whose effort makes one of the best country of the world. I hope youth of this country also carry this vision with commitment.

■ありがとうございました！